東洋製罐グループホールディングス株式会社

サーキュラーエコノミー May 13, 2025

目次

1.目指すべき世界観

2.事業内容

3.事業のエシカルポイント

4.現在の事業に込めた経緯・想い

5.最後に

6.基本情報

7.企業情報

 

1.目指すべき世界観

社会題に技術で寄り添うOPEN UP!プロジェクトの挑戦

 「つくる、生まれる、未来がひらく」

これは、私たち東洋製罐グループが取り組むOPEN UP!プロジェクトのコンセプトです。

2019年にスタートしたこの取り組みは、単なる技術開発や商品づくりにとどまらず、社会課題と真っ向から向き合い、
業界の枠を超えた解決策を生み出していくための、いわば“共創型のイノベーションプロジェクト”です。

少し事例を踏まえてみていくと、
社会の危機に、技術で応える
たとえば、コロナ禍初期。

国から医療機関に支給された高濃度エタノールが、実は病院にうまく届けられないという課題がありました。
なぜなら、90度前後の高濃度エタノールは危険物として扱われ、大量のドラム缶単位での支給では取り扱いや輸送が困難だったからです。
本来、コーヒーなどの飲料を詰める缶の技術を転用し、安全に運べるよう65〜67%の濃度まで希釈。
神奈川県の医療機関に、1ヶ月分に相当するエタノールを供給することができました。

既存の技術を「使い回す」のではなく、「転用することで新たな役割を持たせる。」

それがOPEN UP!の精神です。

キャンプのごみを変える、“ダンボールのテント”

また、アウトドアブームに伴い、キャンプ場でのごみ問題も深刻化していました。
そこで、水を弾く特殊加工を施した“ダンボール製のテント”を開発しました。

このダンボールは発泡スチロールの代替としても使えるほど高性能で、耐久性も抜群です。
雨や氷にも耐え、一年以上屋外で使用可能で使用後は95%以上がリサイクル可能です。

「終わった後もごみを出さない」

未来に負荷を残さない、この仕組みこそがOPEN UP!のビジョンを体現しています。

 
スポーツの力で、リサイクルの文化をつくる
 

私たちは単にモノを作るだけでなく、“文化”も育てていきたいと考えています。

例えば、ペットボトルキャップを集めて、うちわにして地域に還元する取り組み。
鹿島アントラーズや鹿嶋市と連携して、小学生たちがキャップを集め、その成果が形になるというプロジェクトを実施しました。

また、プロバスケットボールチームのアルバルク東京と連携した紙コップのリサイクルプロジェクトでキモとなったのは紙コップを「洗う」という一手間。
飲んだ人が自ら洗うことが、リサイクル可能な状態を保つ鍵なのですが、それをカフェなどで求めるのは難しい。
そこで私たちは、スポーツアリーナの“熱狂”を味方につけて、「アリーナをサステナブルにしよう!」というムーブメントを作りました。

回収された紙コップは、実際に新たなコップとして生まれ変わるところまで実現し、 プロジェクトは、賞を受賞するなど、高い評価もいただきました。

社会課題にこそ、可能性がある

OPEN UP!が目指しているのは、単に売れる商品を開発することではありません。 

社会課題にこそ、技術の意味が問われる。

「それ、本当に社会のためになるの?」という問いを、自分たち自身に投げかけながら、“人の役に立つこと”を中心に据えたものづくりを貫いています。

プロジェクトがひらくのは「未来の可能性」をつくることで、そこに生まれる新しい価値。
目の前の一人に向き合うことで、今まで気づけなかった課題が見えてくる。

OPEN UP!は、時代によって変化する課題に向き合い、イノベーションで未来を「切り拓く」プロジェクトです。

2.事業内容

スタンダードを生み出し、社会課題解決に貢献する

私たちのビジネスは、単なる製品提供にとどまらず、業界全体のスタンダードを変えることに注力しています。
私たちが提供するのは、常に革新を意識したソリューションであり、社会的影響を考慮した未来志向のアプローチで、
私たちが開発する技術やシステムを通じて、業界全体のスタンダードを進化させ、社会全体の課題解決に貢献することを目指しています。

その中でも、異なるプレイヤーが競争しつつも、共通のルールで効率的かつ持続可能に業界を成長させるためのスタンダードを作ることに注力しています。
 


業界全体を見渡す視点と共創の力

包装容器は、中身を守り、届け、使いやすくするためのインフラではありますが、主役ではありません。
消費者はあくまで中身の飲料や食品を食べたり、生活用品を使うために製品を買っているのです。
包装容器が個性的な形をしていたり、派手な見た目だと目立つかもしれません。見たことのない容器は興味をそそるかもしれません。

でも、それでコストが高くなったり、リサイクルしづらくなっては本末転倒です。

例えば缶やPETボトルは業界としての一定の規格があり、どの容器メーカーが作っても充填する設備に対応できるようになっています。
業界全体としてのスタンダードを作りながら、競争や共創の中で新しい価値を生み出し、それを次のスタンダードにしていくことが、重要なのです。

私たちは、業界のトップランナーとして、これからも利益と社会価値の両立を追求していきます。
私たちは、自社の製品やサービスを「特別なもの」として競争の中で取り込むのではなく、業界全体を一つにする視点を大切に、
複数の企業や業界の関係者と手を取り合い、共に業界全体を発展させることが、持続可能な成長を生むと信じています。

例えば、業界全体で共通の価値基準を作り、それをもとに市場が競争力を高めていくことで、より多くの企業が参入しやすくなる環境が整います。

このように、私たちは業界全体のスタンダードを作る立場として、新しい価値をもたらし、未来に向けたマーケットの可能性を広げています。
単に目の前の課題を解決することにとどまらず、業界全体が一つにまとまり、社会全体にポジティブな影響を与える新しいスタンダードを創出することにあります。

利益と社会価値の両立を追求しながら、これからも「社会に開かれた企業」として、業界のスタンダードを進化させる活動を続けていきます。

 

3.事業のエシカルポイント

 

東洋製罐がつくる“スタンダードの倫理”

企業活動の本質は、利益を上げることにあります。
「売上を伸ばし、収益を確保し、組織を存続させる」それは企業である以上、避けては通れない責任です。

私たち東洋製罐も例外ではありません。

製品を売り、技術を開発し、市場での存在価値を築いていくために、「競争」というステージに立ち、他社との差別化を追求してきました。

例えば、他社にはない容器構造や独自の加工技術を開発し、新しい価値を世に出す。

それもまた、私たちの誇りある仕事です。

しかし、私たちが目指すのは、単なる競争に勝つことだけではありません。
むしろ重要なのは、業界全体で“足並みを揃えて”、社会課題の解決に向かうことだと私たちは考えています。


業界全体の協力による価値の創出

例えば、ビールの缶。
表面のデザインは各社で異なりますが、よく見ると形やサイズはほとんど同じです。

実はこれらは、業界内で規格が統一されているからです。
こうすることで、どのメーカーの缶でも、どの設備でも生産可能になり、輸送効率も良くなり、結果としてコストも削減される。

“差別化”を捨てる代わりに、“標準化”によって業界全体の価値を高めています。

このアプローチこそが、私たち東洋製罐が目指す社会貢献の一つの形です。

私たちは「自社の利益」だけでなく、「業界としての責任」を重視し、自分たちが開発した技術が、他社の製品にも応用され、
社会全体に広がっていくことを最初から見据えて設計することが、私たちの事業の根底にあります。

“共創”と“標準化”による業界の成長

東洋製罐では、オープンな連携や他業界との接点を大切にしています。

「どうすればこの技術が業界全体のスタンダードになれるか?」
という視点で動き、業界の進化を牽引してきました。

特に今、環境問題の潮目は大きく変わりつつあります。容器自体が負の側面として扱われることも増えています。

その中で、「自社だけが目立てばいい」ではなく、
「みんなで手を取り合い、社会全体の選択肢を変えていく」姿勢が、
より一層求められているのではないかと考えています。

競合ではなく、共創。
差別化ではなく、標準化。

この選択の積み重ねこそが、東洋製罐グループがこれからも進むべき方向性であり、
業界全体の持続可能な未来を築くための、私たちなりの答えです。

 

4.現在の事業に込めた経緯・想い

 

社会インフラとしての責任と覚悟

私たちは「容器」という存在を、単なる“ものを包むもの”だとは考えていません。
むしろ、社会を支えるインフラの一部であり、人の営みにとって欠かせない存在だと、日々実感しています。

街中に溢れるゴミを目にすれば、「容器なんてなくていい」と感じる人もいるかもしれません。

しかし、もし容器がなかったら飲料も、食品も、医薬品も、安全に届けられない。
衛生も、利便性も、物流も成立しない。

つまり、容器がなくなった時にはじめて、その存在の大きさに気づかされます。

プラスチックを使わずに何かを作ろうとすれば、たしかに環境負荷は減るかもしれません。
しかし、コストが跳ね上がったり、物流網が崩れたり、結果として本当に必要な人たちの手に製品が届かなくなったりする。

“ただ減らせばいい”という短絡的な選択では、社会全体のバランスが崩れてしまうので、
だからこそ、私たちはこの役割を「社会的責任」として自覚し、向き合っています。
そしてもうひとつ、私たちが大切にしている視点があります。

それは、「次の時代をつくる挑戦者を支えること」です。

どんな大企業も、はじめは一つの“挑戦”から始まったベンチャーでした。
そんなかつての挑戦者たちとともに、私たちも成長してきました。

だからこそ今、新しい価値や文化をつくろうとしているスタートアップを、容器の供給側が参入障壁にしてしまってはいけない。

例えば、「最低ロットは10万個から」と言ってしまえば、多くの小さな挑戦はそこでつまずいてしまいます。
でも、そこに本当に未来につながるものがあるのだとしたら、
私たちは時に出資という形でスタートアップを支援し、柔軟性を模索しています。
 

5.最後に

大切なことは「視点」を変えられるか。

このメディアを見ている皆さんは、きっともうすでに自分なりの想いや仮説を持っている人たちだと思います。
「何かを変えたい」「こういう未来をつくりたい」といった想いを、どこかに抱えている。
でも、実際に社会に出て企業に入ると、必ずと言っていいほど“ギャップ”に直面します。

理想と現実の差。思い描いていた仕事と、実際に任された業務の違い。

それは、どんなに「想い」を持っていたとしても、避けられない部分かもしれません。
私たちの会社にも、営業、開発、生産など、さまざまな職種があります。
生産の現場では、ミスをなくすための地道な改善、コストを1円でも下げるための試行錯誤、納期を守るための調節。

一見すると、社会課題からは遠く感じるような仕事も多くあります。

でも、大事なのは視点です。

仕事の内容は自分では選べないこともあるけれど、その仕事をどう見るか、何のためにやるのか、誰のためにやっているのか。

その視点は、自分で選べます。

容器のキャップを1円軽くするだけでも、年間300億個を出荷する私たちにとっては、何億円ものインパクトになります。
それはやがて、業界全体の構造を変えるかもしれないし、社会全体の価格や文化、環境負荷にまで波及していくかもしれない。

そういう仕事の意味を、自分で掘り下げられるかどうかが、社会人としての一つの鍵だと思っています。
そして何より、どんなにギャップがあっても、「想い」を持っている人ほど、それを乗り越える力を持っていると私は信じて連結従業員数:19,673人(2024年3月31日現在)います。

視野を広く持って、日々の仕事の先にある社会や未来とつながりながら、キャリアを築いていってください。

 

6.基本情報

会社名:東洋製罐グループホールディングス株式会社

所在地: 〒141-8627 東京都品川区東五反田二丁目18番1号

代表者名: 大塚一男

設立年月日:1917年(大正6年)6月25日

従業員数:19,673人(連結)

事業内容: 包装容器事業、エンジニアリング・充填事業、鋼板・機能性材料関連事業など

HP URL:https://www.tskg-hd.com/

 

7.企業情報

-ビジョン-

「時代に求められる製品や技術を創り、社会実装していく」

東洋製罐グループは、創業時は日本の食糧危機の課題解決のために製罐事業を立ち上げ、
高度成長期には安全で安価な容器を大量生産する技術で消費を支え、生活が豊かになるにつれ、世界初のレトルトパウチなどの開発を行ってきました。
現在は蓄積した技術を基にヘルスケアや次世代エネルギー業界向けの機能性材料などの開発も行っています。
これからも時代と共に変化し、成長する企業でありたいと思います。

 

-ミッション-

事業の目的は第一に人類の将来を幸福ならしめるものでなければならぬ。第二に事業というものは営利を目的とすべきではない。
自分が働いて奉仕の精神を発揮するということが、モダン・マーチャント・スピリットだ。(創業者 高碕達之助)

 

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