砂漠がランウェイに変わる日
ー アタカマ・ファッション・ウィーク ー

 

目次

1. 砂漠で開催されたファッションショー​

2. 宇宙からも見える「洋服の墓場」

3.廃棄物がファッションに生まれ変わる

4「トゥルーコスト」が示す現実

5. ETHICAL TIPS

 

砂漠で開催されたファッションショー​

2024年4月、チリ北部のアタカマ砂漠で開催された”Atacama Fashion Week(AFW)”が、世界中の注目を集めました。​このイベントは、ファストファッションの大量廃棄がもたらす環境問題に対する警鐘として、Z世代にも深い共感を呼び話題となっています。

ではどのようにして、環境問題に対する警鐘となったのでしょうか?

 
宇宙からも見える「洋服の墓場」

アタカマ砂漠は、美しい星空で知られる観光地です。しかし同時に世界有数の古着廃棄場としても知られています。​

毎年6万トンもの古着がチリに輸入され、そのうち約3万9,000トンが売れ残り、砂漠に不法投棄されているのが現状です。​しかも、これらの衣類は主にポリエステル製で、分解に200年以上かかるとされています。そのためアタカマ砂漠は宇宙からも見えるほどの洋服の墓場だと言われているのです。

 
廃棄物がファッションに生まれ変わる

このAFWでは、地元のデザイナーやアーティストが、廃棄された衣類を素材として新たなファッションを創造しました。

​8人のモデルが、四大元素(地、火、空気、水)をテーマにしたコレクションを身にまとい、砂漠のランウェイを歩きました。​これらの衣装は、24時間かけて手作業で裁断・縫製された元々は不法投棄されていた洋服です。このAFWでは廃棄物を最先端のファッションに。そんなファッションショーなのです。

 
「トゥルーコスト」が示す現実

また、AFWの公式サイトでは、各衣装の「トゥルーコスト(本当の価値)」が提示されています。​これは、製作にかかる時間や環境負荷を反映した価格で、ファッションの裏側にある現実を可視化する試みです。

 

ETHICAL TIPS
ー今から生かせるエシカルポイントー

今回の記事から学べるエシカルなヒントをまとめました。

・世界の現状を知ろう

日本ではあまり見かけることはありませんが、世界では今回の記事にもあった通りゴミ山があります。景観はもちろんですが、環境、人、社会、経済など様々な場面で悪影響を及ぼします。なぜ悪影響を及ぼすのか調べてみてください。

・新たな価値とは

今回のようにただのゴミから新たな価値を生み出すことができます。もちろんコストは必要ですが、それ以上の価値が生み出されることもあります。皆さんも身近でいらんくなったものを別の使い方で新たな価値を生み出してみてください。